●ご挨拶
松山市、岡矯正歯科では矯正歯科単科医院として、1993年より歯列矯正治療に携わっています。
矯正歯科は審美のみならず歯列の形態を矯正することにより、咀嚼機能や構音機能を改善することを目指しています。
松山市駅より車で約7分、JR松山駅より約15分、松山東警察署前電停より徒歩1分です。 地図はこちら
●岡矯正歯科沿革
平成5年 松山市 湊町4メゾンM2-2Fに矯正歯科医院開設
平成11年 松山市 北持田町125-6に診療所移転 医療法人エンゼル設立(矯正歯科)
平成19年 障害者自立支援医療を担当する医療機関指定 10414
診療日時について
休診日 火曜日 木曜日 祝祭日
診療時間
10時〜13時 14時30分〜18時
日曜診療は再診の方のみとなります。
※歯の一般治療、すなわち虫歯治療や入れ歯、急な歯の痛みについての治療は最寄りの一般歯科医院あるいは救急センターを受診して下さい。
●矯正治療に伴うリスクや副作用について
他の医療と同様、矯正治療にも以下の一般的なリスク・副作用があることをご理解ください。
- ①う蝕、歯肉炎、歯周炎
長期的な矯正装置の装着によって、歯の磨き残しから生まれるリスクです。
- ②治療期間の延長
-
1.成長予測の困難性
顎骨の成長予測は難しく、成長発育の量や方向およじ時期を常に考慮し治療を行う必要があります。この判断を誤ったり、予想外の成長発育が起こった場合、治療期間が長くなることがあります。
2.不適切なメカニクス
歯の移動を行う際、選択される矯正装置の力が適切なものでなければなりません。計画どおりに歯の移動をコントロールできず、結果として治療期間が長くなり、歯に負担(う蝕、歯根吸収)をかけてしまうケースがあります。
3.患者の協力不足
定期的な来院、口腔ケア、矯正装置の使用等において患者さんの協力が得られない場合、治療の中断や延長を余議なくされる場合があります。
- ③歯根吸収の発現
ある程度の歯根吸収は発現しますが、適正な矯正力による歯根吸収は修復され、最小限に留めることができます。また歯根吸収を引き起こすような矯正力をかけることはできるだけ避けるようにします。
- ④歯肉退縮
矯正歯科治療に伴い、歯肉の退縮や付着歯肉の喪失を生じることはあります。このような現象は、歯を支えるための歯槽骨がなく、角化した付着歯肉がほとんどない場合に特に頻繁に認められます。歯肉退縮を認める歯については、治療を開始する前に付着歯肉を増大して歯肉を上げるなどの処置を考慮します。
(日本矯正歯科医会
●矯正治療のための抜歯は治療方法の一つであって、非抜歯治療が矯正の目標ではありません。
現代人は顎が小さく親知らずまでデコボコもなく萌えそろっている方は稀です。矯正治療に際し、顎の大きさが小さく全ての歯を並べられない症例では、親知らずの場合と同様、主に小臼歯を間引きして、そのスペースを利用して歯を移動させます。
また、上下の顎の位置の不調和が原因で咬み合わせがずれている骨格性不正咬合でも、同じく抜歯をしてそのすき間に前歯を移動し、咬み合わせを改善することがあります。このような抜歯を矯正歯科学では必要抜歯と呼びます。
さて、このように抜歯の適応となる症例に対して歯を抜かないことを優先してしまうと、それによって失うこともあるのです。
「歯並びと咬み合わせのガイドブック」の抜粋
また、日本人の顎の大きさと歯の大きさの差や、顎態(脳頭蓋に対する顎の位置)は欧米人とは異なるため、抜歯比率も高くなります。したがって、海外の情報をそのまま日本人に当てはめることには無理があります。
もちろん、私共
岡矯正歯科ではできる限り健全な歯を抜かないようにするため、歯列弓の拡大や奥歯の後ろへの移動という手段を用いて早期治療に取り組んでいます。しかし、限られた顎の大きさにむりやり歯をならべようとすると、歯は治療前より前方にとびだしてゆきます。当然口元も前にでます。
その結果、うまく口が閉じられず、見た目だけでなく、口呼吸や歯ぐきの炎症が治らないこともあります。さらに、前歯が過度に傾斜しすぎると、歯ぐきのラインが下がって歯が長くなったように見えたり、歯が唇の力に負けてでこぼこが再発したりする事さえ有るのです。
ぜひ、矯正治療を受けられる際には、頭部エックス線規格写真のデーターを用いたコンピューターシミュレーションによって、1)術後の歯の位置やそれに伴って変化する口唇の位置を確認されることをお勧めします。そして、2)矯正のための抜歯をしない場合であっても、将来、親知らずを抜く必要があるかどうか
3)歯の数を減らさないことによって、あともどりの可能性はどうなのか、といった点について担当の先生に聞いてみましょう。
●矯正治療の進み方
1)初診では診査の後、30分から1時間かけて御相談を承ります。気になるところを遠慮なくお申し出下さい。
お電話にて御予約下さい。
2)相談の後、ご希望があれば矯正歯科のレントゲン(セファログラム)写真、口の中の写真、顔写真、口の中の型などに加え、顎機能検査(ナソヘキサグラフ)というあごの動きの検査をすることがあります。矯正歯科における診査では、特にセファロ(頭部エックス線規格写真)分析は欠く事の出来ない資料です。その後、分析結果をもとに治療計画を作成、患者さんのご了解の後に矯正治療を開始します。
また、岡
矯正歯科では矯正治療中のむし歯予防,歯周病予防に取り組んでおり、資料採取時にカリエスリスク検査,バナペリオ検査,ダイアグノデントペンによるむし歯の診査を行い、一人一人の患者さんに最も適したむし歯と歯周病の進行を防ぐプログラムをご提供します。なお、既に治療の必要なむし歯や歯周病については近隣の一般歯科の先生をご紹介します。
3)矯正治療上、歯を動かす期間を動的治療と呼び、通常、月に一回の矯正装置の調整を行いながら少しずつ歯を移動させて行きます。矯正治療期間は患者様の歯根の長さや歯を支えている骨の硬さによって様々です。私共矯正歯科専従開業医は早く治療を終わらせる事のみを考えているわけではありません。歯の根や歯を支えている骨に障害をもたらすような無理な力を加えず慎重に歯を動かすことを最優先しています。
4)歯を動かす動的治療が終了した後、ただちに後戻りを防ぐための保定治療が開始されます。保定は矯正治療の中でも、欠かすことのできない大切なステップです。岡
矯正歯科では、およそ2年間の保定治療を行います。しかし、骨格性の不正咬合では晩期性成長によってあごの位置が変化したり、骨格性の要素がなくても、18才頃、親知らずの萌出によって前歯が押されて、でこぼこが再発したりすることも注意しなければなりません。このような理由から動的治療が終了したあと、決して安心することなく、6か月~1年に一度の定期検診を欠かす事のないよう御願いします。
●矯正治療に要する費用
1)矯正治療は長期にわたるため、患者様の観点に立ち、矯正治療を始める前に総費用が分かるよう、矯正治療の技術料や矯正装置料に加えて、通常必要とされる来院時毎の再診料、調整料を合算した金額を提示致します。したがって、矯正治療が始まってからは来院回数、治療期間等によって最初にご契約された金額が変更されることはございません。
2)
矯正歯科初診相談料は5,400円(税込)です。
3)矯正治療のためのレントゲン診査や、コンピューターによる口元や横顔の治療予測、お口の型取り等、診断のための検査料、加えてカリエスリスク検査の合計の費用は38,000円です。それ以降に行う検査、すなわち矯正治療の進行を確認する上で必要なレントゲン等の検査や歯を動かし終わった時の検査は無料です。
4)
矯正治療費の代表的な例については、本ホームページ治療費についてのページをご覧ください。
5)
口唇口蓋裂やダウン症等の42疾患の先天疾患に起因する不正咬合は健康保険の対象です。さらに、当院は自立支援医療機関に指定されているため、これらの矯正治療の自己負担金を保護者様の所得に応じて市町村が支援します。http://www.jos.gr.jp/facility/index.html
6)
当院は顎口腔機能診断料算定の指定機関であることから、顎変形症(骨格性下顎前突等)の術前術後に係る矯正治療につきましても、健康保険の適用が可能です。
●矯正治療の開始時期と終了時期
こどもの矯正治療はいつ、始めたらよいのでしょうか?
このことを考える前に矯正治療の終了時期、いいかえれば歯を動かした後、安定した歯並びを長い期間保つためには、いつ頃まで経過観察したら良いか考えてみましょう。保護者の方は御自身、あるいは周りの皆さんの中で20代、30代に親知らずが腫れて辛い思いをされたことがあるかと思います。
一般に、親知らず(第三大臼歯)は現代人の多くが顎の場所が足りないために隣の第二大臼歯にひっかかって、いつまでたっても出てこないことがあります。また生えてくるときの圧力で前歯がでこぼこになることもあります。よく、中学生までは歯並びが普通だったのに高校生の終わり頃になって、下の前歯が、がたがたになった経験をお持ちの方の多い理由はこの親知らずが18歳ころに頭をもたげてくることが多いことに起因するのです。
したがって、小院では、第三大臼歯がうまく生えてきているかどうか経過観察を行い、保定装置をはずす時期を決めています。時期としては、高校卒業後となることが多いようです。中学生ぐらいにすべての矯正歯科治療を終了してしまうと、第三大臼歯の経過を見ることができません。
こういったことを考慮して、小院では第二大臼歯が萌出してから全ての歯を動かすブラケット矯正装置による矯正は、前から数えて7番目の第二大臼歯という歯がはえてきてから始めた方がよいと考えています。この歯は平均すると12-13才(中学1-2年)で出てきますが、遅いと高校生になってから出てくることもあります。親知らずに対して、第二大臼歯は歯並びの中でいちばん奥の方にあり、この歯の咬み合わせが悪いと、顎の関節に負担をかけることがありますので、ないがしろにできない注意すべき歯です。
顎の成長のピークが過ぎてから始めた方がよい骨格的な下顎前突症の場合は、早くても高校生になってからになります。
次に、子供の歯並びであっても治療を開始しなければいけない緊急性の高い不正咬合はどのようなものでしょうか。
1)
咬合性外傷といって、咬み合わせることによって歯肉退縮や歯の破折を生じるような歯並び
2)
骨格的偏位や顎機能障害を引き起こす可能性のある歯並び
3)
転倒時打撲により外傷の可能性が高くなりそうな著しい切歯の前突
4) 萌出遅延,異所萌出
(「歯並びと咬み合わせのガイドブック」日本臨床矯正歯科医会刊
2008年6月18日発行 より引用)
上記のような歯並びは子供の歯並びであっても早期治療が必要です。ぜひ、矯正歯科医にご相談下さい。
●矯正歯科治療の対象となる歯並び
上顎前突 下顎前突 反対咬合 叢生 空隙歯列 開咬 過蓋咬合 等
●矯正歯科以外の一般歯科、関連各科との緊密な連携体制
岡矯正歯科では矯正歯科医院にて、矯正治療のみ担当しています。補綴、保存等の一般歯科治療はかかりつけの歯科医院や近隣の一般歯科医院へ依頼状を添えて御紹介しております。また埋伏している親知らずの抜歯等についてはレントゲン等の資料をお渡ししたうえで口腔外科へご依頼致します。顎変形症に係る術前矯正治療が終了した後の外科的矯正治療につきましても関連各科との連携を執らせていただいております。
●矯正治療と言語治療 特に口唇口蓋裂患者において
矯正治療は歯列形態を改善する事で、咀嚼能率を向上する事を目的としていますが、口は摂食という行為の他に、他者とのコミニュケーションのための大切な道具でもあります。口蓋裂特有の言語の問題は,開鼻声と異常構音から成り立っています.開鼻声は鼻咽腔閉鎖機能の不全による共鳴障害で,いわゆる鼻にぬけるような声のことです.そのために子音は鼻音化し,「バイバイ」が「マイマイ」,「デンワ」が「ネンワ」のように聞こえます.
鼻咽腔閉鎖機能不全とは、話をするとき口の中に空気を保つことができず、鼻に漏れる状態を言います。この状態では、話し言葉が聞きづらく、はっきりとは聞きとりにくい発声になります。一般に口蓋裂の初回手術後にみられますが、口蓋裂術後の全例ではなく、その10~25%程度に発生すると言われています。
軟口蓋と咽頭との間の空間を鼻咽腔と呼びますが、上述の「バイバイのバ」や「デンワのデ」は、この鼻咽腔がしっかりと軟口蓋の挙上と鼻咽腔全体により閉鎖される必要があります。口蓋裂の術後、軟口蓋が短いあるいは軟口蓋が十分動かないといった理由でこの鼻咽腔を閉じることができないことがあり、この状態を鼻咽腔閉鎖機能不全と呼びます。
たとえ、鼻咽腔閉鎖機能不全があっても、私たち歯科医師と言語聴覚士による診断と言語評価に基づき、言語療法、装具装用、手術などを行えば、鼻咽腔閉鎖機能の改善が期待できます。当院では矯正歯科治療のみならず、言語聴覚士の先生を定期的に招聘し言語臨床に取り組んでいます。
●治療をはじめるにあたってのお願い
矯正治療は診断機器の開発改良により、治療期間の短縮、来院回数の減少、装置の審美的な改善、歯の移動に伴う違和感の軽減が図られています。それに伴って私たちスタッフ一同も、良好な結果の得られる治療法を導入すべく日々研鑽を行っています。
上記のような理由で、矯正治療は以前に比べ特殊なものではなく、広く普及しつつあります。
しかし、お約束の治療日に何度もお休みをされると、全体の治療期間が伸びるばかりでなく、治療そのものを難しいものにしてしまいます。
また、歯みがきは今まで以上に取り組んでいただきます。
私たちスタッフ一同みなさんの歯ならびの治療がスムーズに進行するよう一生懸命お手伝い致します。